充電装置や始動装置、点火装置は
もちろん、エアバックや
カーエアコンなどさまざまな
電装部品を動かすために必要不可欠な
バッテリー。
電力を化学エネルギーとして充電し、
必要に応じてその化学エネルギーを
電力として取り出すことができます。
単に蓄えた化学エネルギーを電力に
変換して取り出すだけであれば、
一般的な使い捨ての電池
(一次電池)と同じです。
しかし、電装部品のバッテリーは、
一度電力を取り出した後で、
外部の装置から供給した電力を
再度化学エネルギーとして
蓄えることができる、
二次電池としての機能を備えています。
二次電池の種類として
ニッカド電池やニッケル水素電池、
最近ではリチウムイオン電池
などがあります。中でも、
自動車のバッテリーとして広く利用
されているのは、鉛蓄電池と
呼ばれる二次電池です。
バッテリーの構造は陽極板である
二酸化鉛(PbO2)と
陰極板である海綿状鉛(Pb)、
そしてこれらの電極を満たすように
して電解液の希硫酸
(H2S04+H2O)が入っています。
両極板と電解液が化学反応を
起こすことで電力が発生します。
陽極板の二酸化鉛は茶褐色、
陰極板の海綿状鉛は灰色です。
両極板が直接触れてしまうと外部に
放出する前に電力を失って
しまうので、短絡防止のセパレータ
(絶縁物)を間に挟んだ状態で
両極板が交互に設置されています。
陽極と陰極、1対の極板が入った
部屋を「セル」といいます。
セル内部に配置された極板の
枚数や大きさに関係なく、
鉛バッテリーは1セル当たり約2Vの
電圧を出力します。
ただし、セル内部の極板容積
(表面積)が大きいほど、
化学反応を起こす成分が大量に
存在するということになり、
バッテリーとしての容量
(や寿命)も向上します。
そしてこれを6つ直列に接続する
ことによって12Vになります。
現在の自動車に用いられている
車載システムの基準動作電圧が
12Vになっているのは、
鉛バッテリーの放電電圧に合わせる
ためです。
鉛バッテリーの欠点として
二酸化鉛は粒子間の結合力が弱く、
経年劣化によって極板から
脱落してしまいます。
そうなると修復は不可能であり、
バッテリーの寿命でもあります。
バッテリーのターミナルは何故
あんな形をしているか?
電気抵抗を少なくするためです。
スターターの大電流が
流れるのでできるだけ抵抗を
少なくしたいですもんね。
基本的に電解液の補充が
できますが中にはメンテナンス
フリーのバッテリーがありますね。
放電の仕組みとして
PbO2(陽極)+2H2SO4+Pb(陰極)⇒
PbSO4(陽極)+2H2O+PbSO4(陰極)
このような化学変化が起こると
電子が移動します。
それが電力となり、車の電装品を
動かしています。
放電によって、両極板に硫酸鉛
(PbSO4)が発生し、
電解液中に水も生成します。
逆に充電を行う場合には、
オルタネータ(発電機)や
外部電源の正極と負極を、
それぞれ鉛バッテリーの陽極と陰極に
接続してから電流を流します。
充電によって、陰極板の硫酸鉛は
電子を取り込んで鉛に変化すると
ともに硫酸イオンを放出します。
一方、陽極板の硫酸鉛は、
電解液中の水(H2O)と
反応して酸化鉛に変化し、
水素イオン(H+)と硫酸イオンを
放出します。そして、
両極板から放出された硫酸イオンと、
陽極板から放出された
水素イオンが結合して硫酸になります。
化学反応式は以下の通りです。
PbSO4(陽極)+2H2O+PbSO4(陰極)
⇒PbO2(陽極)+2H2SO4+Pb(陰極)
こうしてバッテリーは充放電を
繰り返します。
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